中原エリアに住む・働く・生きる魅力的な人たちをインタビュー。がんばる誰かの日常が、誰かの背中をそっと押すような、そんなきらめく人たちをご紹介します。

街が変わっても変わらない郷土愛 根っからの“地元っ子”が守る桜並木

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“何もない街”から桜咲く人気の街へ

住吉観光協会_内田治彦-1多くの人出で活気あふれる元住吉駅前。昔ながらのなじみの店と、新しいおしゃれな店が共存する人気の街です。「今はとても長くて有名なブレーメン商店街、オズ商店街も、昔はそんな名前ではなく、商店街も短くて、何もない。すぐに畑が広がる田舎道だったんですよ」と話すのは、住吉観光協会会長の内田さんです。

 

 

 

そんな、何もない所に、地元の有志たちがが、桜でも植えて、皆を楽しませてあげようとしたのが、住吉ざくらの始まりだったとか。長年の活動により、平成6年に「神奈川花の名所 百選」に選ばれています。

 

桜が人と街と街のつなげる

桜祭り

「戦後すぐだったから、何か景気付けようとしたのかもしれませんね。当時から、ぼんぼりを取り付ける活動はずっと続いてきています。最初は自分も『誰の為にやっているのか』と思っていたけれど」と笑います。

中原では5地区あり、住吉地区はその1つ。住吉地区には、さらに14町会があります。「一般的に他町会と何かを共同でする、ということはまずありえない。それにも拘わらず「桜まつり」の開催準備は他の14町会のメンバーが集まるのだから、これはすごいことなんですよ。そして、さまざまなイベントが中止になっている中、誰もコロナだからやめようという人がいないんです。みんな、この桜に対して、自分が参加している、関わり合いを持っているという風に、楽しんでくれているでしょうね」と、“郷土愛”という言葉を口にして目を細めます。

 

街を、景色を、引き継いでいく

住吉ざくらscan原稿-1-1一方で、続けているからこその悩みも。

「60年経ってきているので、桜も老木になってきているんですが、今は関わる人も多く交渉しなくてはいけないんです。10年後、20年後、30年後に花を咲かして楽しんでくれる人がいるであろう人を見据えて、空いている所には早く植えたいと思っているんですが…。我々の先輩たちも多分そういう思いで植えたんだろうから、それを引き継いでいくことが我々の役目だと思っているんです」と話します。

 

 

 

「長く地域を見ていると、常に移り変わる様子でさえも「ここの景色」だとすぐに受け入れるようになってきたんです」言いながら、桜の種類や楽しみ方について楽しそうに話してくれる内田さん。そんな、根からの“地元っこ”が、この美しい景色をつないでいってくれているのです。

 

住吉ざくら(渋川沿いの桜並木):3月下旬~4月上旬

元住吉駅のすぐ近く、渋川河川に沿ってソメイヨシノが約2kmにわたって華やかに咲き誇ります。すぐ近くにある『中原平和公園』でもお花見を楽しめます。また、元住吉駅周辺は賑やかな商店街があり、買い物や食事のできるスポットも充実しています。
  • 場 所:川崎市中原区今井南町から木月までの渋川沿い
  • 見ごろ:3月下旬から4月上旬頃まで
  • 交 通:東急東横線元住吉駅から徒歩3分
  • 桜の種類と本数:ソメイヨシノ(約250本)

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